「このモデル、うちのGPUで動く?」——ローカルLLMで最初に決まるのはVRAM(GPUメモリ)に載るかです。必要量はパラメータ数と量子化でほぼ決まります。パラメータ数×量子化の早見表と、手元のGPUで何が載るかを、当サイトの実測とあわせて一枚にまとめます。

30秒でわかる結論

  • Q4_K_M(4bit)の必要VRAM ≈ パラメータ数 × 約0.7GB + 文脈の余裕。7Bで約5GB、32Bで約22GB、70Bで約49GB。
  • 量子化を上げる(Q8/FP16)ほど必要メモリは増える。迷ったらQ4_K_Mが容量と品質のバランスで既定。
  • MoEは「総パラメータ数」でVRAMを食う(動くのは一部でも、重み全体を載せるため)。
  • 実際に載るか・速度は動くか診断で確認できる。

パラメータ数×量子化の早見表

Q4_K_M を基準に、量子化別のおおよその必要VRAM(重みのみ・KVキャッシュ別)。

パラメータ数Q4_K_M(4bit・既定)Q8_0(8bit)FP16(無圧縮)
3B約2GB約3.5GB約6GB
7〜8B約5〜6GB約8GB約15GB
14B約10GB約15GB約28GB
27〜32B約18〜22GB約35GB約65GB
70B約42〜49GB約75GB約140GB

Q4_K_M列は実運用のVRAM目安(会話履歴=KVキャッシュ分の余裕込み・動くか診断準拠)、Q8_0/FP16列は重み本体の概算です。混合精度・量子化方式で前後し、Q4_K_Mが余裕込みのため列間の比は単純な2倍/4倍にはなりません

手元のGPUなら何が載るか(Q4_K_M目安)

VRAM代表的な機材載る目安(Q4・長文脈は一段小さめが安全)
8GBRTX 3060 / 4060・Jetson Orin〜8B
12GBRTX 3060 12GB / 4070〜14B
16GBRTX 4060 Ti 16GB / Mac 16GB〜20B
24GBRTX 3090 / 4090〜32B
32GBRTX 509027〜35B(MoE含む)
48GBRTX A600032〜70B(量子化前提)
128GB+DGX Spark / Ryzen AI Max / Mac Studio大型MoE(gpt-oss 120B級)

GPUの選び方の詳細は自宅GPUの選び方、機材全体は機材の選び方へ。

見落としがち:KVキャッシュとMoE

  • KVキャッシュ:会話履歴を保持する分で、コンテキスト長に比例してVRAMを食う。長文・エージェントで履歴が伸びる用途は、本体+数GBの余裕を見る。
  • MoE(混合エキスパート):生成時に動くのはアクティブ部分だけだが、重み全体をVRAMに載せる必要がある。例えば総35BのMoEはアクティブが3BでもVRAMは35B相当。巨大MoE(GLM-5.2=総753B)はQ4でも約450GBで家庭GPUには載らない(試算)。

実際に載るか・速度は

早見表は"重み"の目安です。実際に載るか・どのくらいの速度かは、機材とKVキャッシュ次第で変わります。

ローカルLLMの必要VRAMの目安は?
Q4_K_M(4bit)でおおよそ「パラメータ数 × 約0.7GB」+会話履歴分の余裕です。7Bで約5GB、14Bで約10GB、32Bで約22GB、70Bで約49GBが目安で、量子化や文脈長で増減します。
24GBのGPU(RTX 3090/4090)ではどのくらいのモデルが動く?
Q4_K_Mなら14〜32B級が目安です。32Bはぎりぎりで、長い文脈を使うならKVキャッシュ分の余裕を見て28B前後までが安全です。
MoEモデルはVRAMをどれだけ使う?
生成時に動くのは一部でも、重み全体をVRAMに載せます。総35BのMoEはアクティブが3BでもVRAMは35B相当が必要です。巨大MoEは総パラメータ数で判断してください。
Q8やFP16にすると必要VRAMはどれくらい増える?
Q4_K_Mから量子化を上げると必要メモリは増えます。重み本体でQ8_0はおよそ2倍、FP16は約4倍が目安ですが、Q4_K_Mは余裕込みの実効値のため実際の差はこれより小さくなります。品質差は小さいことが多いとされ、まずQ4で動かし不足を感じたらQ8を試すのが堅実です。
VRAMが足りないとどうなる?
あふれた分がCPU/RAMにオフロードされ、大きく低速化します。動くか診断で載るサイズを先に確認するのが確実です。

精度等について

  • 必要VRAMは概算で、量子化方式・コンテキスト長・実装(ランタイム)により増減します。
  • 「何が載るか」は同一VRAMでもKVキャッシュや同居プロセスで前後します。実機は動くか診断で確認してください。